ジャージがスポーツウェアに最適であるという最大の理由はその伸縮性にあります。素材には主にポリエステルが使用されており、手触りのいい平織りや吸汗性を高めた綾織りなどがよく知られています。中学校や高校で学校指定のジャージが使用されますが、その際には、裏地に綿やポリウレタンなどが混ぜられることもあります。昔は、天然素材100%のものがほとんどでしたが、最近では、化学繊維を使用して発色性やデザインに優れたものが多く出回っており、若者たちのファッションとしても広く受け入れられています。ストレッチ素材が誕生したことで、デニムなども以前に比べると伸縮性が高められてはいるものの、やはり、自由自在に伸びるという点では古い歴史をもつジャージには敵わないと言われています。

体を動かすことを目的として着用するウェアには、伸縮性と吸汗性、そして速乾性のある素材が多く使用されており、最近では、汗の臭いや雑菌の繁殖を防ぐ、抗菌防臭効果がある素材も使用されることがあります。ウインドブレーカーは、保温性とともに防寒性のある素材を使用して、薄手でありながらも暖かい着心地を実現しています。最近では、スポーツ科学に基づいて、体に圧力をかけることで筋力をサポートするコンプレッションウェアと呼ばれるものも登場しており、筋肉疲労の軽減やインナーマッスルの強化が可能となっています。このようにスポーツをする人のために存在するウェアではありますが、着やすさや手軽さ、機能性やファッション性から普段着として取り入れられるようにもなっていて、スポーツメーカーでもカジュアルスポーツウェアというカテゴリが人気となっています。