すべての動きの土台、体幹を鍛える

プランク・クランチ・デッドバグなど体幹トレーニングの基本を徹底解説。
姿勢改善・腰痛予防・パフォーマンス向上の土台を作ろう。

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体幹とは何か

体幹とは胴体部分全体の筋肉群を指します。腕・脚を除いた頭部から骨盤までの筋肉のことで、日常のすべての動作と運動パフォーマンスの土台になります。体幹の強さは姿勢・腰痛・競技力に直結するため、あらゆるトレーニングの基礎として位置づけられています。

①体幹を構成する主な筋肉

腹直筋

お腹の正面に縦に走る筋肉。前屈動作・体幹の屈曲を担当。いわゆる「シックスパック」の部位。

腹横筋

お腹の最も深い層のインナーマッスル。腹圧を高めて腰椎を安定させる最重要筋肉。

腹斜筋(内・外)

体側の筋肉。体の回旋・側屈動作を担う。ツイスト系の動作すべてに関与する。

脊柱起立筋

背骨の両脇を走る筋肉群。背骨を垂直に立てる姿勢の要。腰痛予防の中核筋肉。

多裂筋

脊柱の深部に位置するインナーマッスル。椎骨ひとつひとつを細かく安定させる役割。

横隔膜・骨盤底筋

呼吸と体幹安定を同時に担うインナーユニット。正しい呼吸法が体幹強化につながる理由。

②インナーマッスルとアウターマッスルの違い

インナーマッスル(深層筋)は関節に近い深部に位置し、体の安定性・姿勢の維持を担います。腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋の4つを「インナーユニット」と呼び、腰椎の安定に不可欠です。一方、アウターマッスル(表層筋)は腹直筋・脊柱起立筋のように体の表面に近く、力強い動作を生み出します。体幹トレーニングではインナーマッスルを意識することが特に重要です。

③体幹を鍛えるメリット

姿勢改善

猫背・反り腰の根本原因である体幹の弱さを解消し、正しい骨格アライメントを取り戻す。

腰痛予防

腹横筋・多裂筋が腰椎をコルセットのように保護することで、慢性腰痛・急性腰痛を防ぐ。

基礎代謝向上

大きな筋肉群(体幹筋)を鍛えることで筋肉量が増加し、安静時のカロリー消費が上がる。

運動パフォーマンス向上

すべての運動は体幹を軸に力が伝わる。体幹強化でスポーツ・格闘技のパフォーマンスが上がる。

体幹トレーニングの基本種目

①プランク

全体幹初心者~上級者インナーマッスル

体幹トレーニングの基本中の基本。うつ伏せの状態で肘とつま先で体を支え、頭からかかとまでを一直線に保つ等尺性収縮(静的)トレーニングです。

やり方

  • 肘を肩の真下に置き、前腕を床につける
  • つま先を立て、膝を床から離す
  • 頭・腰・かかとが一直線になるよう体を持ち上げる
  • 腹横筋を意識してお腹を引き込む(ドローイン)
  • 自然な呼吸を続けながら規定秒数キープ
初心者:20~30秒×3セット経験者:60秒×3セット休憩:30~60秒
★ コツ:お腹を「引き込む」意識が大切。呼吸を止めないこと。
× NGフォーム:腰が落ちる・お尻が上がりすぎる・首を前に突き出す

②サイドプランク

腹斜筋体側軸の安定

体の側面を鍛える体幹種目。通常のプランクでは鍛えにくい腹斜筋・腰方形筋・中殿筋に効果的に働きかけます。左右バランスの改善にも効果的です。

やり方

  • 横向きに寝て、肘を床につける(肘は肩の真下)
  • 足を重ねるか、前後に開いて安定させる
  • 腰を床から持ち上げ、頭から足まで一直線にする
  • 体が前後に傾かないよう腹斜筋を引き締める
  • 左右それぞれ同じ秒数行う
初心者:15~20秒×左右各2セット経験者:40秒×左右各3セット休憩:30秒
★ コツ:上側の手を腰に当てるか天井へ伸ばすとバランスが取りやすい。
× NGフォーム:腰が前後にブレる・体がくの字に曲がる

③クランチ

腹直筋上腹部アウターマッスル

腹筋運動の代表種目。通常の腹筋(シットアップ)と異なり、腰を床から離さずに上体を丸める動作のみを行うため、腰への負担が少なく腹直筋に集中して効かせられます。

やり方

  • 仰向けに寝て膝を90度に曲げ、足を床につける
  • 両手を頭の後ろか胸の前で組む
  • 息を吐きながら肩甲骨が床から離れる程度まで上体を起こす
  • 腰は床につけたまま、腹直筋の収縮を意識する
  • ゆっくり元の位置に戻す(下ろしすぎず、常に腹筋に力が入った状態を保つ)
初心者:10回×3セット経験者:20回×3セット休憩:45秒
★ コツ:「みぞおちを縮める」イメージで動くと腹直筋に効きやすい。
× NGフォーム:首で引っ張り上げる・反動を使う・腰を床から離す

④バックエクステンション

脊柱起立筋背面体幹腰痛予防

背面の体幹筋(脊柱起立筋・多裂筋)を鍛える種目。腹筋ばかりを鍛えると前後のバランスが崩れるため、バックエクステンションで背面も同等に鍛えることが重要です。

やり方

  • うつ伏せに寝て、両手は頭の後ろか体の前に置く
  • 息を吐きながら上体を床から持ち上げる(10~15cm程度)
  • お尻の筋肉は締めすぎず、背中の筋肉(脊柱起立筋)で持ち上げる意識を持つ
  • 頂点で1~2秒静止し、ゆっくり元に戻す
初心者:10回×3セット経験者:15回×3セット休憩:45秒
★ コツ:首は自然なアーチを保ち、過度に反らさない。
× NGフォーム:首だけを持ち上げる・反動で勢いよく上げる・お尻を過度に締める

⑤デッドバグ

腹横筋インナーマッスル腰椎安定

腹横筋・インナーユニットを重点的に鍛える種目。仰向けで手足を交互に動かしながら腰椎の中立位を保つ動作は、腰痛持ちのリハビリにも採用される安全性の高いトレーニングです。

やり方

  • 仰向けに寝て両腕を天井へ伸ばし、股関節・膝を90度に曲げて足を浮かせる
  • 腰は床にしっかりつけた状態を維持する(隙間を作らない)
  • 息を吐きながら右腕を頭の上へ・左脚をまっすぐ伸ばして床すれすれまで下げる
  • 腰が浮かないギリギリの位置で止め、元に戻す
  • 反対側(左腕・右脚)も同様に行う
初心者:左右5回×3セット経験者:左右10回×3セット休憩:45秒
★ コツ:腰が床から離れた瞬間にリセット。動作の「丁寧さ」が全て。
× NGフォーム:腰が床から離れる・呼吸を止める・腕脚を速く動かしすぎる

レベル別トレーニングメニュー

週2~3回のトレーニングを目安に、自分のレベルに合ったメニューを選んでください。各種目の正しいフォームを習得してからセット数・秒数を増やしていくことが上達の近道です。

①初心者向けメニュー(体幹入門 / 週2~3回)

種目セット数・秒数/回数休憩
プランク20~30秒 × 3セット60秒
クランチ10回 × 3セット45秒
バックエクステンション10回 × 3セット45秒
デッドバグ左右5回 × 3セット60秒

②中級者向けメニュー(体幹強化 / 週3回)

種目セット数・秒数/回数休憩
プランク60秒 × 3セット45秒
サイドプランク左右30秒 × 3セット30秒
クランチ20回 × 3セット45秒
バックエクステンション15回 × 3セット45秒
デッドバグ左右10回 × 3セット45秒

③上級者向けメニュー(体幹完成 / 週3~4回)

種目セット数・秒数/回数休憩
プランク(足上げバリエーション)60~90秒 × 4セット30秒
サイドプランク(腕伸ばし)左右45秒 × 3セット30秒
クランチ(ツイストあり)20回 × 4セット30秒
バックエクステンション(負荷あり)15回 × 4セット45秒
デッドバグ(脚を完全伸ばし)左右12回 × 4セット30秒

姿勢改善・腰痛予防との関係

①猫背・反り腰のメカニズム

猫背は胸椎(胸の骨)が過度に後弯し、頭が前に出た状態です。主な原因はデスクワーク・スマートフォンの使いすぎによる姿勢の習慣化と、体幹前面(腹直筋・腸腰筋)の短縮、背面(脊柱起立筋・菱形筋)の弱化です。一方、反り腰は腰椎の前弯が過度になる状態で、腸腰筋の緊張・腹横筋の弱化が主な原因です。どちらも体幹を正しく鍛えることで改善できます。

②体幹が弱いと起きる不調

慢性腰痛

腰椎を支える筋肉が弱いと、椎間板や靭帯に過剰な負担がかかり腰痛が慢性化する。

肩こり・首こり

猫背姿勢が続くと頭部が前に出て僧帽筋・首の筋肉が常に緊張。肩こりの大きな原因になる。

膝・股関節痛

体幹が不安定だと走る・跳ぶ動作で膝・股関節への負担が増大し、慢性的な痛みにつながる。

パフォーマンス低下

体幹が弱いと腕・脚の力が体幹でロスし、スポーツ・格闘技の競技力が伸び悩む。

体幹トレーニングで改善できる理由

体幹筋を正しく鍛えることで骨盤の位置が正常化し、腰椎・胸椎のアライメントが整います。特に腹横筋と多裂筋は「天然のコルセット」と呼ばれ、これらを強化することで腰痛の根本改善が期待できます。毎日5~10分のプランクとデッドバグを継続するだけで、姿勢と腰痛に明らかな変化が生まれます。

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よくある質問(Q&A)

Q. 体幹トレーニングは毎日やっていいですか?
A. プランクなどの等尺性収縮(静的)種目は毎日行っても回復しやすいですが、クランチやバックエクステンションなどの動的種目は週2~3回が理想です。毎日行う場合は強度を低めに抑えるか、種目をローテーションして同じ部位を連続で追い込まないようにしましょう。
Q. プランクは何秒からスタートすればいいですか?
A. 初心者は20~30秒を目標にしましょう。フォームが崩れた瞬間に終了することが重要です。腰が落ちた状態で続けると腰痛の原因になります。正しいフォームで30秒キープできるようになってから、10秒ずつ時間を延ばしていくのが安全な進め方です。
Q. 体幹トレーニングでお腹は凹みますか?
A. 体幹トレーニング単体では体脂肪は減りません。ただし、腹横筋を鍛えることでウエストが引き締まる効果があります。お腹を凹ませるには有酸素運動と食事管理を組み合わせることが必要です。体幹強化はトレーニング全体の基盤づくりとして捉えましょう。
Q. 腰痛があっても体幹トレーニングはできますか?
A. 急性腰痛(ぎっくり腰など)の場合は安静が優先です。慢性腰痛の場合は、デッドバグや呼吸を意識したドローインなど、腰への負担が少ない種目から始めることを推奨します。痛みが強い場合は必ず医師・理学療法士に相談してください。
Q. 体幹トレーニングの効果はいつから出ますか?
A. 継続的なトレーニングで2~4週間で姿勢の変化を、4~8週間で腰痛の改善を実感し始める方が多いです。効果を感じやすくするには週2~3回の継続と、日常生活での姿勢意識(体幹を使って動く習慣)が重要です。

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